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[2005年2月18日:掲載]

インターネットオークションにおけるトラブル防止の注意喚起や補償制度に関する問題点について

 インターネットオークションは、自宅のパソコン等から気軽に売買を楽しむことができ、今や人気のある取引形態である。しかし、匿名性が高く、「落札した商品が届かない」といった詐欺事件や「送られてきた商品に傷があった」等のトラブルが後を絶たない。

 こうしたトラブルの未然・拡大防止のため、インターネットオークション主催者(以下「事業者」)はホームページ上でトラブル事例を紹介して利用者の注意喚起を図ったり、「補償制度」を設けて利用者が被った経済的な損失を補填するなどの対策を行っている。補償制度は各事業者が独自に定めており、制度の名称や詳細は異なるが、おおむね「商品が届かない」等のトラブルについて、一定の書類を添えて申請することで事業者が損失を補填する制度のことであるが、すべての事業者が設けているわけではない。

 しかしながら、これらの注意喚起が不十分であったり、補償制度に関する説明が不足していることに起因するトラブルが寄せられている。


相談内容

【事例1】

 インターネットオークションでパソコンを約18万円で落札した。入金後3週間で発送される条件だったが、発送予定日を過ぎても商品が届かず、出品者とも連絡が取れなくなったため、警察に被害を届け出た上、事業者が設けている補償制度の申請を行った。

 しかし、事業者から「商品の納品までの期間が不相当に長いため、補償制度の規定対象外となり、補償は受けられない」旨の電子メールが届いた。3週間が不相当に長いとの判断基準が明確でないと感じたため、より詳しい説明を再三求めたが、納得のいく説明は得られなかった。

 その後、出品者が詐欺罪で逮捕され、出品者の弁護士から連絡があったため、補償制度で補填される必要はなくなったが、補償制度があることを宣伝しておきながら、実際にトラブルに遭った際に適用されず、その理由も十分に説明されないのは納得できない。

(40歳代、男性、給与生活者)

【事例2】

 インターネットオークションでオーディオのケーブルが出品されていたため、入札したが、結局落札できなかった。

 あきらめていたところ、オークション終了後に出品者と思われる人物から「落札者の都合で取引が中止になったので、譲ってもいい」との電子メールが届いた。買いたい旨を伝え、指定された銀行口座に代金(6万円)を振り込んだが、その後何の連絡もない。

 電子メールを送ってきた人物の住所と携帯電話番号は聞いていたため、何度も電話をかけてみたが、まったくつながらない。どうしたらよいか。

(30歳代、男性、給与生活者)



処理概要

【事例1】

 補償制度の適用の可否について事業者の説明は不足していると思われたため、当センターから事業者に聴いたところ、「商品の納品までの期間が不相当に長いこと、同様のトラブルに対してはホームページで注意喚起しており、補償制度の対象外であることも告知している点などを考慮したうえで、総合的に判断を下した。3週間という期間だけで判断したわけではない」とのことであった。

【事例2】

 相談者が受け取った電子メールは、落札できなかった人に対して出品者を装った電子メールを送り、架空の取引を持ちかけて代金を騙し取ろうとする手口と考えられた。事業者のホームページでも同様の手口について注意喚起されており、補償制度の対象外であることも掲載されていた。

 そこで、出品者を装った人物からの電子メールに記載されていた住所は虚偽である可能性が高いが、書面で商品を引き渡すよう催告すること、連絡がつかない場合には警察へ被害を届け出ることなどを助言した。

 それぞれの事例の問題点に加え、共通点として、(1)同様の被害に関する注意喚起がなされていても、これに気が付かない利用者が少なくないこと、(2)被害に遭った際に補償制度を申請しようとしても、対象外となってしまうことが多いことなどが挙げられる。

 そこで、事業者に来訪を求めたところ、以下の説明があった。

 【事例1】については、補償制度の適用の可否について具体的な基準を提示すると、基準が一人歩きしてしまう危険性があり、却って柔軟な対応ができなくなってしまう懸念がある。申請者に対しては、なるべく理由を説明しているが、見直していきたい。また、商品の納品までの期間が不相当に長い出品物に関しては、出品できないように削除することでトラブルを減少させていくつもりである。

 また、【事例2】については、以前から同様の被害が報告されていたため、正規の落札者以外の電子メールアドレスが表示されないように改善した。

 注意喚起の在り方については、なるべく利用者が気付きやすいように工夫しており、併せて補償制度についても告知しているつもりであるが、より分かりやすいように改善していきたい。

 その他、本人確認の厳格化など、トラブル防止に尽力しているとのことであった。



問題点

 インターネットオークションという取引の「場所」を提供している以上、トラブルの未然・拡大防止のための情報提供を行うことは事業者に求められる当然の責務であるが、その情報は分かりやすく伝える必要がある。

 また、補償制度自体は好ましいと考えられるが、現状では、利用者に「補償制度があるから安心だ」という過度な期待を抱かせている面があると思われるため、適切な告知が必要であろう。

 なお、インターネットオークションの利用者の増加に伴い、電子メールによるサポートだけでなく、電話等の複数のツールを用いたサポート体制の充実を望みたい。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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