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[2004年12月20日:掲載]

パソコンソフトの個品割賦購入あっせん契約を認めない消費者金融業者

 業務提供誘引販売取引業者の倒産が相次ぐなどトラブルが増大し、クレジット契約が結びにくくなったのか、最近いわゆる内職業者との契約に際し、消費者金融(以下、ローン会社)からの借り入れで支払いをさせる例が増えている。これらの消費者金融の中には個品割賦購入あっせん契約を認めず、販売業者とのトラブルに対して無関係を主張する業者もある。その代表的な例を紹介する。


相談内容

 ‘03年3月、SOHO従業者募集の広告メールを見て資料請求をし、その後、電話で問い合わせをした。

 事業者からは「在宅での1日2〜3時間の業務で、月3〜5万円くらいの収入が可能」と説明された。パソコン操作や知識について聞かれ答えたところ、「あなたなら月収3〜5万円の能力である」と言われた。「登録料はまったくない。ただしレベルチェックのテストは有料で、有資格者レベルの受験料1回1万円が必要。30万円のパソコンソフトを購入し、それで訓練を受ければ何度でも無料で試験が受けられる。責任を持ってクライアントとの仕事をあっせんするためにもこのパソコンソフトは必要である。テスト合格まで完全サポートするし、合格後もスキルアップのサポートをする」と勧められた。

 購入資金がないと告げたら、「毎月の収入から月々支払えばよい」と言われ、業者が提携しているローン会社を利用するように言われた。そのまま電話で家族の勤務先や年齢を聞かれ、事業者がその内容をローン会社に書類で送り、後ほどかかってきた電話で内容を確認し、申し込みが完了した。その際、「明日事業者から商品売買契約書と教材のローン申込書が送付される。記入後、事業者に返送するように」と言われ、手続きし、融資されたお金で支払いをした。

 届いた教材で勉強し、試験も受けたが不合格になり、その後も勉強を続けているうちに事業者と連絡が取れなくなった。

(30歳代 男性 給与生活者)



処理概要

 当初、相談者の居住地の消費生活センターが相談を受け、契約に至った経緯や解約理由などを書いた手紙を事業者とローン会社に送り交渉を行った。その結果、事業者は解約に応じ合意解約書も作成されていたが、返金されないまま連絡がつかなくなってしまった。そこで、解約についてローン会社と交渉を始めたところ、ローン会社は提携関係を否定し、対応しようとしなかった。

 同時期、同様に販売業者との提携関係を認めず解約に応じようとしないローン会社に関する相談が増加していたこともあり、国民生活センター(以下、当センター)が消費生活センターから当該相談を引き継ぎ、ローン会社と交渉に当たった。

 当センターでは、この相談の場合は、ローン契約書が事業者から相談者に渡されていることや、事業者がローン会社と提携関係にあると言い、毎月の返済額まで説明していることなどから、経済産業省とも協議したうえで、この契約はあらかじめ提携関係にある個品割賦購入あっせん契約と考えられると判断した。

 さらに、他の相談についても、ローン申込書が内職業者から提供されており、中には代理店料や教材代については当該ローン会社からの融資で賄うと書かれた書面が交付されているケースもあり、これらの状況から、ローン会社と事業者の間には牽連性があると考えられ、これらの契約はすべて割賦購入あっせん契約であると判断される。ところが、実際にはどの契約においても割賦販売法で定める法定書面は交付されておらず、消費者保護の観点からいえば、抗弁権の接続条項がないなど問題が大きい旨をローン会社に指摘した。

 しかしローン会社は、「当社は割賦販売法の個品割賦購入あっせん取引は行っていない、あくまで売買契約を前提としない二者間のフリーローンを行っている貸金業者であって、当該内職業者についてはまったく知らない、当社とは無関係であり、事業者から相談者に渡された経緯からすると、当社の申込書が悪用されたものと考えている」と主張した。

 ローン会社はその時点で督促を止めていたが、それは割賦販売法上の抗弁権の接続を認めたからではなく、センターのあっせんに応じて合意金額についての話し合いをする用意があるからであるとし、(1)分割払いなら残元金(抗弁書が届いた時点での償還計算書の貸付残高)の6割を24回から36回払いで、(2)一括払いなら残元金の5割、で和解する用意があると提示してきた。

 当センターでは、申込書の流出や悪用を主張するなら、どのような経路で流出したのか等を説明してほしい、同様の相談は全国的に発生しており、すべて事業者経由で相談者に申込書が渡っている。また、申込書には加盟店管理コードらしきものも付いており、単に流出した、悪用されたと言って個品割賦あっせん契約を認めず、事業者らと関係がないと主張されても受け入れることはできない、提示された条件は到底納得できるものではない、と主張した。

 その後、交渉を重ね、最終的に10万円の提示に相談者が納得したため、当該相談については合意となった。



問題点

 実質的には割賦購入あっせん契約でありながら、あくまでも二者間の金銭消費貸借契約であり事業者とは関係がないと主張するローン会社との契約は、このところ増加している。今回の例でもローン会社は、当センターで事業者との提携関係を示す証拠を示しても「名前を勝手に使われた」の一点張りであり、消費者救済が非常に難しい状況であった。

 当センターではこのようなローン会社に対して行政指導を要望する文書を経済産業省取引信用課に提出しているが、まだ改善の兆しは見えていない。

 その後、個々の事例では何らかの解決に至っているものの、根本的な部分はまだ問題を残したままである。

 同様の主張を行い、割賦購入あっせんを認めないローン会社がこの先増える可能性もあり、早急な対応策が望まれる。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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