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[2004年12月3日:更新]
[2004年10月14日:掲載]

清涼飲料水と誤って飲んで入院したペットボトル入りのにがり

 家族が冷蔵庫に入れておいたペットボトル入りの飲料を一口飲み込んだ。中身はにがりの原液だった。急性塩化物中毒で入院したが、ペットボトルは1リットルサイズで、清涼飲料水のものと見分けがつかず間違いやすい。他に同様な事例はないか。

(50歳代 男性 給与生活者)

アドバイス

 センターで、苦情品が掲載された広告の写真を確認したところ、外見上は清涼飲料水が入ったペットボトルとたいへん似ており、にがりの原液が入っているとは知らずに、間違えて飲んでしまう可能性は否定できないと思われました。今のところ、各地の消費生活センターには、同種事例は寄せられていませんでした。

 「ダイエットに、にがり」「ストレス解消に、にがり」など、にがりが人気を集め、料理や飲み物などに入れて摂取する人が増えています。

 にがりは海水から塩を除いた後の残留物で、主成分は塩化マグネシウムですが、豆腐用凝固剤として使用する食品添加物です。「食品衛生法に基づく添加物の表示について」の通知によれば、「大豆から調整した豆乳を豆腐様に凝固させる際に用いられる食品添加物及びその製剤」と定義されています。食品添加物は最低量で使用することが望ましいとされていますが、にがりについては、ダイエット効果などを求めるあまりに、過剰に摂取する傾向もあるようです。

 マグネシウムの1日あたりの許容上限摂取量は「第6次改定日本人の栄養所要量−食事摂取基準」(平成12年度から16年度の間に使用するもの)によれば「1歳〜2歳130mg、3歳〜5歳200mg、6歳〜8歳250mg、9歳〜11歳500mg、12歳〜14歳600mg、15〜17歳650mg、18歳〜49歳700mg、50歳〜70歳以上650mg」となっています。子どもの許容上限摂取量は、大人に比べ低いので、注意が必要です。

 通常の食生活の中からもマグネシウムを摂取することができますので、「にがり」の摂取方法によっては許容上限摂取量を上回って摂取してしまう可能性があります。マグネシウムを多量に摂取すると、下痢をする、本件のように急性中毒症状を起こすということもあります。

 なお、独立行政法人国立健康・栄養研究所は、にがりの主成分の塩化マグネシウムにダイエット効果があるとする確実な根拠がないだけではなく、過剰に摂取することの弊害について認識するよう呼び掛けています。

コメント&解説

 当センターで参考のために、食品添加物、マグネシウム含有食品、清涼飲料水等の「にがり」に関連する商品の表示を確認したところ、マグネシウムの他、各ミネラルの含有量が不明なものもありました。また、使用方法が曖昧であったり、記載が無いものもありました。マグネシウム等の摂取量が分からないため、使用方法によっては過剰に摂取するおそれがあります。

 自分の体に本当に必要なものなのかをよく考えることはもとより、本件のように誤って飲んで重篤な健康被害が発生する場合もありますので、使用方法だけではなく、保管方法にも十分に注意して欲しいものです。

(追記)
 平成16年11月22日に平成17年度から平成21年度の5年間使用する「日本人の食事摂取基準(2005年版)」が厚生労働省から発表されました。マグネシウムの1日あたりの食事摂取基準(mg/日)が新たに男女別、年齢別に設定され、「通常の食品からの摂取の場合、上限量は設定しない。通常の食品以外からの摂取量の上限量は、成人の場合350mg/日、小児では5mg/kg体重/日とする」と注意されています。

 詳細は、厚生労働省ホームページ「日本人の食事摂取基準について」参照


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。