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[2004年9月17日:掲載]

就職説明会と呼び出し、契約させた英会話とパソコン教室

 就職に有利と英会話やパソコンなどの各種資格を勧める勧誘方法はよくあるが、卒業が近付いた学生にとっては、就職説明会や就職情報を提供すると言われれば、つい関心を持つであろう。今回は就職の説明会と称して来校させ、契約するまで帰さない英会話とパソコンの学校についての事例を紹介する。

相談内容

 12月の初旬に事業者から電話があった。職業を聞かれたので「学生」と答えると「当社はパソコンと英会話の学校で、就職について詳しく説明している。時間はかからない。短時間で構わないから学校に来てほしい」などと言われた。最初は断っていたが、しつこく誘われ、就職もしたかったので参考になるかもしれないと思い、友人と会う約束があるのでその時間までなら、ということで説明会に行く約束をした。

 当日、午後4時半に説明会に行き、電話をかけてきた担当者から英会話とパソコン教室の説明を受けた。就職の話になると、「さらに詳しい人がいる」と言われ、上司らしき人が来て、「パソコンとTOEICの資格を持っているだけで時給3000円がもらえる。1ヶ月で40万円くらい稼げる」などの話があった。就職説明と言っても役に立つ話とは思えず、友人との約束もあったのでそわそわしていたが、担当者と上司が入れ代わり立ち代わり、英会話レッスンの特徴やパソコン試験の合格率、70万円のクレジット契約を結ぶ価値があること等について説明を続けた。途中、友人から携帯電話に連絡が入り、約束の時間も過ぎていたので「出ていいか」と尋ねると、出ないようにと言われた。それからも延々と説明が続き、契約についても親に相談するかと尋ねられたので相談すると言うと、自分のことだから自分で決めるようにと言われ、断るとまた説明が繰り返される状況で、午後9時まで勧誘が続いた。このままでは帰らせてもらえないと思い、英会話とパソコン教室、CD‐ROMの契約をした。

 その後、オリエンテーションに行くと、担当者から「役務提供期間が6ヶ月の契約だったが、1年間の契約になったので書面を書き直してほしい」と言われ、再度出向いて指示どおり書き直した。また、1ヶ月ほど後の授業後、担当者から呼び出され、この時クレジット契約書(支払総額90万6990円)を書いた。

 何回か授業には通ったが、そもそも勧誘方法に納得できないし、高額なため解約したい。CD‐ROMはまだ受け取っていない。

(20歳代 男性 学生)

処理概要

 国民生活センター(以下、当センター)は、まず相談者に、契約に至った経緯と解約したい理由を記載した手紙を、業者とクレジット会社に送付してもらった。事業者から次のような反論があった。

 ・最初に電話勧誘をした際に就職説明会を行うかのような説明をされたというが、そのようなことはない。
 ・クレジット契約書は受講契約をした日より約1ヶ月後に書いてもらっているが、契約した際にクレジットを利用した場合について、金額、支払回数等の明細を渡している。
 ・教材の納品は制作の都合で遅れることはあらかじめ説明している。
 ・役務提供期間が6ヶ月から1年に変更になったので契約書を書き直してもらった。役務提供期間が長くなるのは契約者にとって不利になることではない。
 ・実際に勧誘や説明を行った担当者やその上司に確認をした結果、販売方法や契約行為に問題はなかった。契約後のアンケート調査でも、相談者は契約したのは感じがよかったからとか、英語がうまくなりたい旨を書いており、喜んで契約してもらえたと思っている。また、契約後1ヶ月間に15回も受講しており、積極的に通学していた。このような手紙をもらって非常に驚いている。

 契約日とクレジット契約日のずれについては、「クレジット会社が2004年より組織改正を行ったため」と反論があり、解約については特商法上の中途解約にのっとった解約料を請求したいとのことであった。

 さらに、当センターではクレジット会社に、相談者が長時間にわたって勧誘されたこと等の理由で解約を望んでいることを伝え、学生なのにボーナス払いを併用したことについての理由を尋ねた。クレジット会社は、契約者が払えない場合は親権者に払ってもらうことを考えていたが、あらかじめ同意を得るべきだったと問題点を認め、今後の改善を約束した。

 事業者に対しては、さらに勧誘時の問題を指摘し、また、今回の取引では契約書の作成が3回あり、書面不備や書面不交付もあることから、クーリング・オフと消費者契約法4条2項による取り消しを主張した。

 事業者は認めなかったが、説明不十分だったことや精神的に迷惑をかけたことを考慮するとして、前回の請求額から入学金と2回分の授業料、解約損料を引いた2分の1、4万6000円を提示してきた。

 当センターとしては納得できる提案ではなかったが、相談者が早期解決を望んだためこの条件で合意となった。

問題点

 今回事業者は、「断っても延々と勧誘され、契約しないと帰してもらえそうにないので契約した」という相談者の主張はまったく認めなかった。そのため、書面交付の時期のずれによる問題と対応の誠意のなさを追求して交渉し、解約料の減額をした。

 この事業者は、以前からトラブルが数多く発生しており、当センターに業務改善書を提出させたことがあった。それによると「学生の契約の場合は成人・未成年を問わず親の同意を100%義務付ける」という社内ルールがあったが、経営上不利という理由で内容を変更していたことが分かった。本来ならトラブルになる前、変更になった時点で報告すべきであると事業者には抗議した。

 今回の件については問題勧誘は認めなかったものの、経営全体で勧誘方法・販売方法の適正化を改めて徹底する旨の改善書が、事業者から再度提出された。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。