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[2004年7月20日:掲載]

「解約してあげる」と言われ契約させられてしまった会員サービス

 以前にした「資格講座」や「会員サービス」等の契約を「解約してあげる」と誘って、また新たな契約をさせる相談が、最近目立っている。

 今回は、以前に契約した会員サービスを「解約してあげる」と言われ、新たに別の会員サービスを契約させられてしまった事例を紹介する。

相談内容

 「以前に入会した会員サービスを利用していないようですね。解約してあげます」という電話があり、業者と会った。「今、入会している会員サービスは月会費3000円を生涯支払わなければならず、会員サービスを利用しなくとも、生涯で約200万円近く支払わなくてはならない。しかし、当社の会員になれば、今入会している会員サービスを解約してあげる。入会金は65万円だが、月会費は免除する」と説明された。そこで初めて、過去に契約した会員サービスに月会費が必要なことや生涯に渡って会費を支払わなくてはならないことを知った。勧められている契約も高額なため、非常に迷ったが、販売員に「今日しか契約するチャンスはない」と言われたので、これまでのローンのことやこれからの月会費のことを考え契約することにした。65万円という大金は持ちあわせていなかったため、業者が提示したクレジット契約の書面に署名捺印した。

 「今入会している会員サービスの解約については後日連絡する」と言われたきり、その後業者からは何の連絡もなく、連絡しても応じない。以前に入会していた会員サービスのローンの支払いと、今回の入会金の支払いと両方が続いている。だまされたと思う。解約したい。

(20歳代 男性 給与生活者)

処理概要

 国民生活センター(以下、当センター)にて契約書等を確認したところ、入会金の支払いは、相談者・販売業者・クレジット会社の三者間契約に基づいて行われているものではなく、相談者と消費者金融の二者間の金銭消費貸借契約であることが判明した。

 そこで、販売業者との解約交渉を進める一方で、消費者金融に対し、抗弁権の接続を認めるよう交渉をすることとした。

■消費者金融業者への交渉

 まず、相談者から、契約に至った経緯を記してもらい、抗弁権の接続を書面にて求めた。次に、 当センターより、相談者は契約時に販売業者から金銭消費貸借の契約書を渡されており、当センターが指摘するまで、金銭消費貸借契約であることを認識できていなかった点を指摘し、実質的には三者間契約であり、抗弁権の接続をするよう主張した。

 しかし、消費者金融業者は、あくまでも相談者との二者間の金銭消費貸借契約であると譲らず、抗弁権の接続を認めなかった。また、相談者が販売会社に対し苦情を申し出た以降も支払いを続けていることから、相談者は債務の存在を認めていると考えている、したがって、今後も従来と同様に請求を行う、とのことであった。

■販売業者との交渉

 当センターより、勧誘時に次のような問題点があったことを主張し、会員サービスの売買契約の解約を求めた。

 会員サービスの販売でありながら、電話での勧誘時にその目的を告げず「利用していない会員サービスを解約してあげる」と持ちかけ、相談者の関心を引きつけていることや、「解約しなければ高額な費用がかかる」「今日しか契約できない」等、虚偽の説明をして相談者の不安をあおり、さらに、相談者に考慮する時間を十分に与えず契約をせかしている。また、そもそも、相談者は以前に入会した会員サービスについては退会扱いになっており、解約する必要などなかったこと等を指摘したところ、販売業者は

(1) 相談者は以前に入会した会員サービスを解約するために当社に入会したのではなく、新たな会員サービスを受けるために入会したという認識をもっていること
(2) 相談者は、当該会員サービスを利用していること

の2点を勘案し、販売価格の5割の解約料を提示してきた。

 相談者は、早期解決を望んでいたため、会員サービスの販売価格65万円の5割を3回に分けて返還されることで合意し、相談を終了した。

 なお、相談者は販売員より、当該消費者金融の契約書を渡され、金銭消費貸借契約を締結していることから、販売会社と当該消費者金融業者との関係について問い質したが、両者の関係について明確な回答を得ることはできなかった。

問題点

 このようなトラブルは、消費者が過去に契約した情報をもとに、新たな契約を迫る二次被害である。こうした消費者の個人情報は、業者による名簿屋からの購入や、業者間の名簿の売買等により流通しているものと思われる。

 消費者は、そもそも最初に契約したサービスも利用していない等のことから、解約したいと思っている状況がある。さらに、契約から数年たっていることや、サービス等を利用していないために記憶があいまいになり、本来解約料等を必要としていない会員サービスにもかかわらず解約を依頼してしまうという実態がある。

 これらは消費者の記憶が薄れているところにつけ込み契約を迫るものといえる。
 今回のケースのように新たな商品やサービスを契約するのではなく、単に「以前の契約を解約するための解約料の請求」をする場合もあるが、「解約させる行為」が指定役務でないため特定商取引に関する法律の適用を免れてしまう。

 しかし、そもそも解約できないものを解約できると勧誘することは、刑法の詐欺罪や民法の詐欺、特定商取引法6条の不実告知に抵触する恐れがある。事実と異なることを言って勧誘している場合には、消費者契約法4条の不実告知に該当する恐れもある。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。