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[2004年3月17日:掲載]

学生の連鎖販売取引に係るトラブル

 「簡単なアルバイトがある」と学校の友人に誘われた。興味を持ったので話を聞いたところ、人を加入させればマージンが受け取れるアルバイトとのことであった。友人からは「簡単に儲かる。本来、学生だと参加できないが、特別に参加させる」と繰り返し説得された。しかし、参加するためには約30万円の化粧品を購入することが必要だったので悩んだが、友人は「消費者金融で借りればいい。すぐに返済できるだけの収入がある」と言うので、そうかと思い、消費者金融から借り入れて契約をした。

 その後、友人や知り合いを誘ってみたが、誰も加入してくれず、思ったようにマージンが受け取れない。さらに消費者金融の金利も気になるので、解約したい。

(20歳代 女性 学生)


アドバイス

 商品やサービスを契約して組織に加入した上で、次は自分が友人などを誘い、新たな加入者を見つけることによりマージンが支払われる仕組みの商法のことを連鎖販売取引(いわゆる“マルチ商法”)といいます。その他、“マルチレベルマーケティングシステム”(略称:MLM)や“ネットワークビジネス”とも呼ばれるようです。

 連鎖販売取引は「特定商取引に関する法律」により、さまざまな規制が業者に課されています。具体的には、契約前にその連鎖販売業の概要について記載した書面を交付しなければならないことや、契約を締結させるために威迫して困惑させてはならないことなどが決められています。

 一方、消費者は契約書を受領してから20日以内であればクーリング・オフを行使できます。

 連鎖販売取引は、平成8年、12年など、法改正が繰り返されるたびに規制が強化されてきました。特に平成12年の改正では、連鎖販売取引の定義を拡大し、同時に広告規制の強化も行いました。しかし、その後も依然としてトラブルは後を絶ちません。

 この相談では、クーリング・オフを行い、支払ったお金は全額返金されました。



コメント&解説

 連鎖販売取引は商品知識や関係法令について熟知していない、いわば素人に近い人が消費者に対して勧誘をするため、不適切な説明がなされたり、マージンを得るために強引な勧誘が行われやすく、その結果、人間関係にも亀裂が入ってしまうなど、多くの問題点が指摘されています。

 近年、学生の連鎖販売に係るトラブルが目立ちますが、この背景として次の点が挙げられます。

  1. (1)学生の参加は自主的に禁止している業者もあるが、一方でこれを禁止していない業者も少なからず見受けられること
  2. (2)学生の参加を自主的に禁止していても業者側のチェック機能が不十分なため、参加させてしまっていること
  3. (3)組織に加入するために数十万円の商品を購入する必要があるが、この支払いに充てるため消費者金融からの借り入れをすることに対して抵抗感のない学生が多いように思われる。そのため、思ったようにマージンが得られない場合、結果的には高い金利のついた借金だけが残ってしまい、トラブルをより深刻なものにしていること

 一般的に学生は社会的な経験が浅く、経済的にも自立していないことが多いと思われます。そのような学生の社会的立場を鑑みれば、業者は学生を連鎖販売取引に参加させるべきではないと考えられます。

 当然、社会人であっても連鎖販売に係るトラブルは多く寄せられていますので、「簡単に儲かる」「(高収入になって)夢を実現させよう」などといった甘い言葉に釣られず、少しでも疑問を感じたら契約をしないといった慎重な態度が望まれます。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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