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[2004年2月18日:掲載]

仕事が紹介されないタレントの募集広告

 中高年タレントモデルを募集する折込みちらしの求人広告を見て興味をもった。出演料として1日数万円から数十万円になると記載されていたので、履歴書を送り面接を受けた。その際、「仕事をするにはレッスンを受ける必要があり、レッスン料がかかりますが、レッスンと並行して仕事があり出演料が入るので安心してやっていけます」という説明があった。

 後日、面接に合格したという通知が来たため、業者の担当者に連絡したところ、レッスン料を支払うように言われ約20万円を支払った。

 演技指導や写真のポーズの取り方など、全課程十数回かけてレッスンを受けたが、仕事の紹介がないので業者に問い合わせると、「今仕事を探しているので待ってください」との回答だった。その後何度連絡をしても仕事が来ない。仕事がもらえるということで契約したので、話が違う。返金してほしい。

(50歳代 男性 無職)

アドバイス

 「仕事を紹介するので収入になる」と勧誘し、そのために必要な教材の購入費用やレッスンを受ける費用を負担させる取引は、特定商取引法で「業務提供誘引販売取引」として規制されています。この取引に該当する場合、仕事の紹介の条件などについて記載された概要書面と契約書面を必ず交付する必要があります。また、20日間のクーリング・オフ期間が定められており、これを上記書面に記載しなければなりません。仕事の紹介が前提ではなく、タレントやモデルになるためにレッスンを受けることが契約の内容であれば、「業務提供誘引販売取引」には該当しませんが、この相談は、仕事を紹介するので収入になると説明し、レッスン費用を負担させていたため、「業務提供誘引販売取引」に該当すると考えられます。しかし、上記の書面はどちらも交付されず、クーリング・オフの告知もされていなかったため、当センターからクーリング・オフを主張しました。

 業者は、本契約は仕事の紹介を約束するものではないとして「業務提供誘引販売取引」に該当すると認めませんでしたが、相談者に18万円を返金すると提案があり、相談者は了承しました。

コメント&解説

 求人広告による募集だけでなく、街頭でのスカウトでタレントやモデルを募集しているケースもよくみられます。そもそも、タレントやモデルの養成は、芸能事務所やモデル事務所が自らの経費で行い、レッスンなどを経て一定の水準に達したところで“売り込み”を行うのが通例と思われます。

 全国の消費生活センターに寄せられている苦情をみますと、タレントやモデルの仕事をするために、前もってレッスン費用の負担を求められる場合には、もともと仕事が紹介されるシステムではないことも考えられますので注意しましょう。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。