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[2004年2月18日:掲載]

破損し中身が飛び出した缶詰

 製造後7年くらいたった白桃の缶詰を冷蔵庫で保管していたところ、ふたが外れ中身が飛び出していた。賞味期限の3年は過ぎていたが、過酷な状態で保存していたわけではない。製造過程で何らかの問題があったのではないか。原因を調べてほしい。

(50歳代 男性 給与生活者)


アドバイス

 相談者から苦情品が送付されましたので、製造業者に原因究明を依頼するため来所してもらいました。来所した担当者は、缶の状態を目視するとともに相談者が申し出た情報を聞き、缶が破損するに至った原因を以下のように説明しました。

 「フルーツ缶詰を長期間保存しますと缶内で水素が発生し、上下の缶ぶたを押し上げるような膨張を起こすことがあります。膨張が進行しますと、容器の一番弱い部分が破壊され、断裂が発生します。膨張を起こした缶の内面はねずみ色から黒くなり、内容物も変色してしまいますが、腐敗膨張ではありませんので、腐敗臭はありません」。

 この説明に対してセンターは、「このような現象はよく起こることなのか、発生のメカニズムを詳しく教えてほしい。賞味期限内には起こらないのか。製造技術上致し方ないことなのか」と尋ねました。

 担当者は、「フルーツ缶は缶胴の内面がブリキ(鉄にスズメッキしたもの)でできています。賞味期限内は中身の劣化を防ぐためにスズが犠牲的に僅かに溶出し、鉄面は露出していませんが、賞味期限を過ぎ、経年変化によりスズの溶出が多くなってきますと、鉄面が露出しその鉄とシロップの酸が反応し水素を発生します。賞味期限内であればこのようなことはありませんが、長期保存された場合にごく稀に発生する現象です。製缶技術はだいぶ向上しましたが、限界もあります」との答えでした。

 製造業者の担当者から相談者に対しても、原因に関する説明がなされ、本件は終了となりました。

 缶詰の破裂などの要因には上記のもの以外に、製造過程において加熱殺菌が不十分であったり、密封状態が不良な場合などに、細菌などが中身を腐敗させてガスを発生させることで起こる場合があります。

 缶詰は長期間保存が可能で便利ですが、賞味期限を目安に使い切りたいものです。また、保存場所によっては、破裂した際に内容物で回りのものが汚れたり、壊れたりすることもありますので、注意しましょう。



コメント&解説

 缶詰には缶内面を塗装した塗装缶と、塗装しない無塗装缶があります。フルーツ缶詰や一部の野菜缶詰は製品保管中の品質の劣化を防ぐために、無塗装缶が使用されています。缶材ブリキ(鉄にスズメッキ)からのスズの溶出により、褐変による色・香味の変化を抑え、ビタミンCの減少を防ぐ目的で国際的にも無塗装缶が使用されています。

 スズは他の重金属と異なり、摂取されたスズは吸収されずに排泄され、内臓器官に蓄積されることはないとされています。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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