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[2003年7月15日:掲載]

マンション分譲業者が倒産して返金されるか心配な手付金

 分譲マンションの購入契約をし、10ヶ月後に入居予定となっている。ところが、業者が民事再生手続をすることになったとの新聞記事を見た。現在、工事が中断しているらしい。  契約した物件の引き渡しを受けられない場合、すでに支払った160万円の手付金は返金されるのだろうか。

(30歳代 男性 給与生活者)


アドバイス

 近年の不況や競争の激化に伴い、分譲マンション業者が破綻する例も増加しつつあります。こういった場合、物件の引き渡しを受けていない消費者にとって、すでに支払った手付金がどのように取り扱われるのかが気になるところだと思います。

 宅地建物取引業法において、宅地建物取引業者は、建物の売買などで自ら売主となるものに関しては、以下の条件に該当する場合、「手付金等保全措置」を講じなければ手付金を受領してはならないと定められています。

  • 買い主が「登記」を得ていない場合
  • 未完成物件…手付金の額が代金の5%以上、または1000万円を超える場合
  • 完成物件 …手付金の額が代金の10%以上、または1000万円を超える場合

 「手付金等保全措置」とは、分譲業者が破綻して物件の引き渡しが受けられない場合に保証会社(銀行、信託会社その他政令で定める金融機関又は国土交通大臣が指定する者)が手付金を消費者に全額返金する仕組みのことです。

 この相談では、「手付金等保全措置」が講じられていたため、仮に物件の引き渡しが受けられなくても、手付金は保証会社から返金されることになります。



コメント&解説

  「手付金等保全措置」が講じられておらず、物件の引き渡しもできなかった場合は、分譲業者の倒産が民事再生法による再生手続きなのか、破産法による破産手続きなのかによって、対応が異なります。

 民事再生法の場合、裁判所は倒産した業者の申し立てにより、少額債権に対する弁済を許可できるとされています(※)。そのため、倒産した業者がどういった対応をするのかについての説明を聞く必要があります。

 一方、破産法の場合、残った資産を全ての債権者に公平に配当するため、債権届出をして配当を待つことになります。

 また、「物件の引き渡しを受けることはできるが、倒産した業者のマンションは不安なので解約したい」等の理由で解約を申し出ると、自己都合による解約となり、手付放棄による解約となる場合がありますので、注意が必要です。

 万が一、契約先の分譲業者が破綻しても、慌てずに情報収集に努め、落ち着いた行動を取ることが肝要だと思います。

(注)民事再生法第85条第5項 …
少額の再生債権を早期に弁済することにより再生手続を円滑に進行することができるときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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