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[2003年7月15日:掲載]

皮膚障害を起こしたピーリング用化粧品

 新聞広告を見て、家庭でできるというピーリング(※)用の化粧品の試供品を申し込んだところ、「6ヶ月使えば肌が見違える」などと勧められて6ヶ月分を購入した。3ヶ月後、頬が赤くなり痛みを感じるようになり、医師の診察を受けた。治療に2ヶ月かかった。このような化粧品には品質基準などはないのだろうか。残っている化粧品を返品するので返金して欲しい。

(30歳代 女性 家事従事者)


アドバイス

 この化粧品には「自宅で簡単にできるピーリング」と表示されていました。ピーリングにはいくつかの方法がありますが、AHA酸(アルファヒドロキシalpha hydroxy acids:グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)を配合したピーリング剤を顔に塗布して、5〜7分間マッサージしてから拭き取り、その後、還元用のローションで顔を拭くという手順でした。

 ピーリング剤の酸の濃度、ピーリング剤の接触時間、使用頻度等によっては、皮膚に強い刺激が与えられることもあります。この化粧品にはグリコール酸を使用していることが記載されていましたが、その濃度は記載されていませんでした。

 この化粧品の使用上の注意事項は不十分なものであると考えられ、当初の説明通りに「肌が見違える」ことはなく危害が発生したことから、メーカーに返品・返金を求めるとともに、治療費を請求できることをアドバイスしました。

 本件の他にも、「ピーリング作用をもった化粧品によって危害が発生した」という相談が寄せられています。購入や使用には、皮膚科専門医の助言を仰ぐなど、十分に気をつけましょう。

(※):「ピーリング」は皮膚の角質(主に老化角質)を除去する技法の総称で、このうち、酸による化学的な角質溶解の技法を「ケミカルピーリング」と称しています。



コメント&解説

 エステティックサロン内で行われる「ピーリング」が原因で発生する「皮膚障害」や「やけど」について、国民生活センターは『美顔エステ「ピーリング」でやけど状態に! 美しくなるはずが…』を2000年2月に公表しています。

 今回は「自宅で簡単にピーリングできる」とうたわれたピーリング作用を持つ化粧品を自分で購入・使用し、皮膚のトラブルが発生しました。化粧品については、薬事法第42条(医薬品等の基準)により、化粧品品質基準が定められており、配合が禁止されている成分、配合に制限のある成分が指定されていますが、化粧品中のAHAを含む有機酸の濃度に使用基準がありません。アメリカ食品医薬局(FDA)は、7%w/w(濃度)以下という基準を定めています。

 ピーリングは、2000年5月に厚生省(当時)が「非医師である従業員が表皮剥離(ケミカルピーリング)を行う行為は医業に該当する」という見解を示した医学的な知識や技術を要する施術です。本件のように消費者がAHAを含む有機酸の濃度に使用基準がないピーリング剤を簡単に購入でき、使用して皮膚障害が発生する事態は問題といえます。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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