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[2003年4月20日:掲載]

他店よりさらに安くするという家電量販店の新聞折込広告

 オーブンレンジを購入しようと思い、新聞に折り込まれたチラシを見ていたら、欲しい機種の売価が、家電量販店A社は13,800円、別の家電量販店B社は12,800円だった。ただし、A社のチラシには、「他店チラシ掲載売価よりさらに10%以上安くします」との記載があった。

 そこで、A社の店舗に出かけ、売り場でB社のチラシを提示し、12,800円の10%引きの11,520円で購入したいと求めたが、応対した店員は12,500円で販売すると言う。おかしいと思い、店長に理由を尋ねたところ、「値引き後の価格が仕入価格を下回る場合は“不当廉売”となるため、B社の10%引きでの販売ができないこともあります。仕入れ価格を調査します」との説明だった。

 店側の説明に納得が行かず、不愉快になったため、購入はせず帰宅したのち、A社の本社に電話し、売り場でのやり取りについて苦情を申し出たが、十分な説明は得られなかった。その後、本社がこのオーブンレンジの仕入れ価格を調べたところ、B社の売価の10%引きの金額(11,520円)よりも高いことが分かり、店長から、「当社の仕入れ価格で販売します」と連絡があった。

 チラシ広告の内容どおりの価格で販売しないのであれば、表示内容に偽りがあることになると思う。

(30歳代 女性 家事従事者)

アドバイス

 センターでチラシ広告を確認し、A社から事情を聴きましたが、相談者の希望どおりに販売するという回答は得られませんでした。このため、A社の広告内容が不当表示に当たるか、センターから公正取引委員会に申し出を行い、判断してもらうことにしました。

 その後、公正取引委員会よりセンター宛てに通知が届きました。その内容は、「法令上の措置は取らなかったが、『不当な価格表示についての景品表示法上の考え方』に基づき、A社を指導した」というものでした。これは、口頭による指導で、排除命令ではありませんでしたが、A社のチラシ広告に問題性があったことが確認できました。

 なお、不当廉売とは、「正当な理由がないのに商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、その他不当に商品又は役務を低い対価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること」と、定義されています(「不公正な取引方法」昭和57年6月18日公正取引委員会告示第15号第6項)。

コメント&解説

 不当表示に関しては、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)によって規制され、公正な競争が確保されています。景品表示法は、独占禁止法の補完法であり、景品表示法に違反する行為の審査については、独占禁止法で定める規定が適用されます。公正取引委員会が審査を開始する場合には、同委員会が自ら違反を発見する職権探知と、一般の方からの報告(申告)によるものがあります。

 本件では、国民生活センターが公正取引委員会に上記に基づく申告を行いましたが、もちろん相談者が自ら行うことも可能です。

 平成14年12月5日に公正取引委員会が公表した「『不当な価格表示についての景品表示法上の考え方』の一部改定について」(本件事例の申し出は改定前のもの)では、「販売価格の安さを強調するその他の表示について」という項目の「不当表示に該当するおそれのある表示」の基本的な考え方として、

「競争事業者の店舗の販売価格よりも自店の販売価格を安くする等の広告表示において、適用対象となる商品について、一般消費者が容易に判断できないような限定条件を設けたり、価格を安くする旨の表示と比較して著しく小さな文字で限定条件を表示するなど、限定条件を明示せず、価格の有利性を殊更強調する表示を行うことは、一般消費者に自己の販売価格が競争事業者のものよりも著しく有利であるとの誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある」と説明しています。

 具体的事例として、

 「A電器店が、『他店チラシ掲載売価より更に10%以上安くします』と強調して表示しているが、実際には、他店のチラシ価格と価格比較できる商品は表示された商品のうちの一部の商品に限定されているとき、又は他店のチラシ価格よりも価格が安く設定されていない商品があるとき」

 が、例示されています。

 公正取引委員会のホームページ(「『不当な価格表示についての景品表示法上の考え方』の一部改定について」)には、それ以外にも価格の表示についてどのように考えるかなどについて、情報が掲載されていますので、ご参照ください。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。