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[2003年3月18日:掲載]

身分を偽りドアを開けさせ、しつこく勧誘する新聞勧誘員

 進学のため上京し一人暮らしを始めた矢先、アパートのインターホンのチャイムが鳴った。「どちら様ですか」と尋ねると、「町内会の者です」という男の人の声がしたので、玄関のドアを開けた。すると、町内会の者というのは嘘で、新聞の勧誘員だった。勧誘員は「洗剤やビール券をサービスするから契約してほしい」と一方的にしゃべり続け、契約しないと帰ってもらえない雰囲気だったのと、一人暮らしを始めたばかりで動揺してしまい、勧められるままに2年間の契約を結んでしまった。

 後でよく考えると、仕送りでの生活には余裕はないし、新聞は大学の図書館でも読めるので、できれば解約したい。

(18歳 男性 学生)


アドバイス

 新聞の訪問販売は、特定商取引に関する法律(特商法)によって規制され、契約内容を明らかにする書面を受け取ってから8日以内であれば、無条件で申込の撤回(クーリング・オフ)をすることができます。本件は、契約してからすぐにセンターに相談があっため、クーリング・オフすることができました。

 各家庭に新聞を配達してもらうためには、新聞販売店と購読契約を結ぶ必要がありますが、勧誘については販売店の従業員が行うだけでなく、「拡張員」と呼ばれる勧誘を専門とする人に販売店が委託して行う場合もあります。拡張員は歩合制で報酬を得ることが多く、相談事例を見ると、「強引に勧誘された」「約束が守られない」などのトラブルも発生しています。

 本件も拡張員が行った勧誘でしたが、「町内会の者です」と身分を偽りドアを開けさせる行為は、大いに問題です。特商法では、訪問販売における氏名等の明示を義務付けており、本来であれば、「○○新聞販売店から△△新聞の購読契約の勧誘を委託されております××と申しますが・・・」と言って訪問し、それなら話を聞いてもよいという人に対して、初めて販売活動を行うべきです。

新聞勧誘に携わる関係者が、業務改善を目指し前向きに取り組んでいる動きも見受けられますが、まだまだ相談が多いのも事実です。

 クーリング・オフ期間が経過した場合でも、勧誘手段が詐欺的であったり、脅迫的だったりした場合は、民法や消費者契約法を活用することで、解約可能な場合もありますので、消費生活センターへ相談しましよう。



コメント&解説

 新聞勧誘というと、洗剤やビール券といった「景品」の提供が持ちかけられることが多いようです。景品競争が過熱し、ひどい例ですと、相談者がドアを開けた瞬間、勧誘員がいきなり景品を手渡します。反射的に受け取ってしまうと、返すに返せず、結局不要な契約まで締結してしまうケースもあります。

 景品類の提供については、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第3条の規定に基づいた、「新聞業における景品類の提供に関する事項の制限」(業種別告示)により、従来全面的に禁止されていましたが、平成10年に制限が緩められ、一定の範囲内で実施可能となりました。その後平成12年に再度制限が緩められ、景品類の範囲については、「取引価格の100分の8又は6か月分の購読料金の100の8のいずれか低い金額まで」とされました。また、「新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」が景品表示法第10条の規定に基づき認定されており、規約を運用する新聞公正取引協議会は、規約に違反する行為があった場合、違約金を課すなどの措置を取ることができます。

 消費者としては、保安上の理由からも、訪問者が誰でどんな要件で来ているのかをよく確かめてからドアを開ける習慣をつけましょう。また、仮に勧誘員の説明を聞くにしても、景品に惑わされず、購読の意思がないときははっきりと断りたいものです。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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