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[2003年2月17日:掲載]

マルチ商法的勧誘方法で加入させる根拠法のない共済

 知人に名前を聞いたことがない生命共済への加入を勧められた。他に加入する人を紹介するとバックマージンが入る仕組みというが、信用できるか。

(40歳代 女性 家事従事者)


アドバイス

 センターでこの生命共済について調べたところ、農業協同組合や生活協同組合などで取り扱っている共済とは異なり、法的裏付けのある共済団体のものではないことが分かりました。事業内容に関係なく「共済」の名称を使う団体がありますが、それ自体は違法なことではありません。

 共済事業を行うための法律には、農業協同組合法、水産業協同組合法、消費生活協同組合法など7つの法律があります。これらの法律に基づき、農業協同組合、漁業協同組合、生活協同組合などが共済事業を実施しています。これらの共済は、組合員の生活を守るために、法令等によって、組合員になることができる人、実施できる共済の種類、共済掛金、準備金の積立、資金の運用方法などが厳格に定められています。

 一方、法的根拠なしに「共済」の名称を用いている団体には、上記のような法的義務はありません。だからといって信用性について一概に否定することはできませんが、契約に当たっては、以下の点などを踏まえ、慎重に検討する必要があると思われます。

  1. (1)集めた掛金の運用方法や共済金支払いの実績、財務に関わる情報がきちっと開示されているか。
  2. (2)不適切な販売方法(虚偽なことを告げる、契約条項のうち重要な事項を告げない、配当など将来の運用結果しだいで金額が変動する可能性があることについて、断定的な判断を提供するなど)はないか。


コメント&解説

 この団体は、加入者を勧誘する方法として、マルチ商法的な手法を用いているようですが、この販売方法自体は違法なものではありません。マルチ商法は、ピラミッド形の販売員組織によるもので、消費者自身が販売員にもなり、勧誘の実績に応じて利益を得ていく仕組みです。組織の上位に行けば行くほど、大きな利益を得ることができます。ただし、販売業者や販売員が、一部の成功例をことさらに強調して、多大な利益が容易に得られると信じこませたり、商品の優秀性を過度に訴えたり、いろいろなしがらみを利用して消費者を販売組織に加入させようとするなどのトラブルが、消費生活センターに多数寄せられています。

 特定商取引に関する法律では、このマルチ商法を「連鎖販売取引」として、不実告知や威迫困惑行為の禁止、誇大広告の禁止、契約締結時までに連鎖販売業の概要について記載した書面を交付することなどを義務付けています。またクーリング・オフ期間は、契約書面を受領した日から20日となっています。

 各種共済への加入は、自分でいろいろと調べ、自己責任で行うものですが、連鎖販売取引で販売されるケースにおいては、保険(共済)という商品の特性(病気や死亡といったことに係る商品)とマルチ商法の問題点が複合して、思わぬトラブルになる恐れもありますので、注意が必要です。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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