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[2003年3月20日:掲載]

ネットで申し込み、カード決済したサッカーのチケット

 最近は、インターネットを利用して各種チケットを申し込むことが多くなり、さまざまな問題が起きている。今回は「サッカーのチケットをインターネットで申し込み、観戦できなかったのにクレジットカード会社から代金を請求された」というトラブルを紹介する。


相談内容

 サッカーの国際試合のチケットをインターネットで申し込むため、海外の販売店専用のサイトにアクセスした。チケットの代金は、持っていたカードのクレジット発行会社と提携している国際ブランドのカードで支払うことにした。申し込み手続きには、15分間という制限時間が設けられていたため、カード番号のほか、氏名、観戦したい試合、チケットの枚数等の項目を入力し、送信ボタンをクリックしたが途中で時間切れになってしまい、「購入できた」という確認の画面まで進むことができなかった。

 しかし、確認画面まで到達しなくても、チケットが取れるケースがあることを知っていたので、念のため翌日チケットの引換所まで出向いた。クレジットカードを係員に提示し、チケットが取れているかどうか確認してもらったところ「取れていない」といわれた。

 翌月、申し込みに使ったクレジットカード発行会社から届いた請求書には、取れていなかったチケット代金の請求(約5万円)が入っていた。

 チケットが取れていないにもかかわらず、代金を支払うことは納得できないので、カード発行会社のインフォメーションセンターに取り消し依頼をしたところ「当事者同士で解決してほしい」という回答だった。

(30歳代 女性 給与生活者)



処理概要

 相談者には経緯を書いてカード発行会社に送付してもらい、併せて送付したメールなどのやりとりを記録しておくように伝えた。一方、当センターは、カード発行会社に契約状況を問い合わせ、とりあえず請求をとめて、調査してほしいと申し入れた。

 カード発行会社からは「調べたところ、データ上は正規の売り上げとして伝票が上がってきた時点で立て替え払いをしており、相談者に請求を出した。今回の取引では、販売店は当社の直接の加盟店ではなく、提携する国際ブランドの加盟店である。この提携会社を利用した同様の相談が複数あったので、現在まとめてチャージバック(注)をかけているところで、さらに調査をする予定なのでその間は請求をとめる」と現状についての回答があった。

 当センターからは「当該ケースは海外との取引なので、直ちに電子契約法が適用されるケースではないかもしれないが、同法の主旨からすれば、今回はチケットが取れたというメールがなく、またチケットが取れたという確認の画面も出なかったことから契約は成立していないと考えられる」と伝えた。

 その後、カード発行会社から契約の成立の可否や時期についての回答はなかった。しばらくしてカード会社から「チャージバックの結果が出たので請求を放棄することにした」との回答があった。相談者には、カード発行会社からその旨の連絡があることを伝えて相談を終了した。



問題点

 インターネットによる取引が増えているが、こうしたトラブルの解決に当たっては、通常まず販売店に申し出ることになる。この事例ではチケットの販売店が海外の業者であったため、カード発行会社に申し出て、チャージバック手続きなどにより解決されたものである。

 一方、インターネット取引における契約の成立をめぐるトラブルに関しては、電子契約法の活用が考えられる。

 今回の取引はチケットの販売店が海外の業者であったため、直ちに同法が適用になるとはいえないが、カード発行会社が日本の会社であることからすると、電子契約法の適用を受け、契約の不成立を主張することができるのではないかとも考えられる。

 サッカーの国際試合終了後、当センターには、この事例のほかに、「チケットをインターネットで申し込み、代金の支払いについてカードで決済した。チケットは入手できなかったのに、カード発行会社から代金を請求された」という相談が複数寄せられた。

 申し込み時の状況はケースごとに異なり、当該事例以外には次のようなケースがあった。「チケットを申し込むため業者のホームページに入力していたところ、画面がフリーズしてしまい、申し込み手続きが進まず、チケットが入手できなかった。その後カード会社から代金が請求された」、「業者のホームページ上でチケットを申し込んだ。制限時間の15分を過ぎたのでチケットは取れなかったと思い、チケットを取りに行かなかった。申し込みをしてから数時間後にチケットが予約できたという英文のメールが届いていたことが後で分かった。そのときはすでに試合は終わっていた。支払い義務はあるのか」などである。

 このようにインターネット取引では、特に申し込み時点において従来の取引とは異なった特有のトラブルが生じている。

 今後、インターネットによるこうした消費者取引は増加することが予想される。電子契約法や特定商取引法によりトラブルの解決が図られることが期待される。

(注) チャージバックとは、多くは海外でのカード取引で、一定の理由がある場合に消費者がカード会社からいったん支払った立替金を取り戻すことができる手続きのことである。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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