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[2003年2月20日:掲載]

「メル友」になってアクセサリーを売り付けるデート商法

 異性に対し抱く好意を利用して商品を販売する商法、いわゆるデート商法の相談が年々増加している。

 最近では、きっかけが携帯電話の「メル友」や、出会い系サイトを通じて販売員と知り合ったというケースがよくみられる。今回は、男性販売員による勧誘で、アクセサリーを契約させられたケースを紹介する。

相談内容

 事例(1)「お店の紹介をしたい」という内容の電話が自宅にあり、趣味についてなど一方的に話し掛けられ、電話を切れずにいた。そのころ事故でけがをして休職中で日中一人で家に居なければならなかった。また、恋人と別れたばかりでもあり、一人で居てもつまらないという気持ちがあって会う約束をした。

 店に行き、2時間近く雑談をしているうちに徐々に話題がパールのことになった。実際にパールのネックレスを首に掛けられて、とてもよく似合うなどと褒めちぎられた。店に来てからすでに5時間半が経っており、販売員と意気投合し、楽しい気分だったが、こんなに高価なものは買えないと言ったら、男性の販売員が「君に似合うと思って勧めていたのにどういうことだ」と急に怒鳴ったので、途端に萎縮してしまいパールのネックレス(クレジット総額約110万円)を契約した。

 翌月「パーティがあるからこないか」とメールで誘われた。「宝石は絶対に買わない」と伝えたが、商品を取りに行く目的もあったのでパーティー会場に行ってしまった。

 「良い物を身につけていると上品な気持ちになる」等と4時間半にわたり説明されダイヤのネックレス(クレジット総額約90万円)を契約してしまった。3ヵ月前のことだが解約したい。

(20歳代 女性 無職)

 事例(2)自宅に男性から電話がかかってきた。「自分は宝石会社に勤めているが、デザインもしている」などといい、これをきっかけに友達になろうといわれた。その後、軽い気持ちで毎日電話やメールをやりとりし、友人としてもっと知り合いたいと思うようになった。

 2週間ほどして「自分の仕事を見てほしい」といわれ、会うことにした。午後5時ごろ待ち合わせ、事務所のようなところに連れて行かれた。雑談の後、金庫からパールのネックレスを出してきて「すごくよく似合うよ」と急に商品を勧められた。買う気がないので断ったが、頭金を入れれば月々の支払いが安くなる等と4時間近く勧誘されてパールのネックレスと指輪(クレジット総額約127万円)を契約した。これからはいつでも会えるし、ドライブにも行こうといわれ、うれしかった。

 頭金を振り込むまでは販売員から毎日電話やメールがあったのに、そのうち連絡がなくなった。しばらくしてカラオケに一緒に行こうと誘われ、前回と同様の場所に連れて行かれ、また宝石を勧められた。信用できないと思ったので断ったところ、急に怒り出し、とても怖かったが、勇気を出して要らないと言って帰ってきた。だまされたようなので契約後2ヵ月半経っているが解約したい。

(20歳代 女性 給与生活者)

処理概要

 事例(1)では相談者が契約に至る経緯を書いて、業者と信販会社に送付した。その後、当センターからパールの契約について、消費者契約法4条3項第2号の退去妨害による取り消しと、併せて「怒鳴った」ことは威迫行為(特定商取引法6条2項)に当たるのではないかと指摘した。業者は相談者の手紙に書かれた事実はない。「怖かった」なら、なぜその後も販売担当者にメールを出したのか。またその後も契約したのかと反論し、解約に応じなかった。

 そこで当センターから信販会社に消費者契約法の退去妨害による取り消しを伝え、併せてクレジットの契約書の連帯保証人欄に「参考人」として父親の氏名、生年月日、勤務先、勤務先電話番号など父親本人の同意なしに詳細な個人情報を記入させた点は好ましくないことも指摘した。その後、パールについては4万円の値引きで契約を履行、ダイヤのネックレスについては既払い金(約10万円)を解約料に充てることを業者が提案し、相談者がこれを了解した。

 事例(2)も相談者が書いた契約に至る経緯を業者と信販会社に送付した。当センターからは、契約時に「要らない」と断っているのに勧誘した点を業者に指摘したところ、業者は「当社は問題となるような販売行為は行っていない」という回答であったが、解約には応じるとして、解約料30万円を提示した。当センターから信販会社に「クーリング・オフ期間中、毎日電話やメールをするのはクーリング・オフ回避とも考えられる。加盟店指導をしてほしい」と要望したところ、解約料20万円が業者から提示され、相談者がこれに合意した。

問題点

 デート商法に関する相談では、電話による勧誘の際に、商品を販売することを明確に告げられておらず、特定商取引法3条に違反する恐れのあるケースが目立つ。また長時間かつ深夜におよぶ勧誘で「要らない」と断っているにもかかわらず契約している点は消費者契約法4条3項(退去妨害)に当たるといえるだろう。

 しかし、このような販売上の問題点を業者に指摘しても、業者は販売員と相談者の「楽しい」メールの記録や複数回契約している点を挙げて、契約に問題はなかったと反論し、解約に応じないことが多い。

 最近のデート商法では販売員と「メル友」、ときには「恋人」になって契約させる、あるいは解約させないようにするケースがよくみられる。これらは業者の手口で、問題のある販売方法であるが、消費者にも契約当事者としての意識をもう少し持ってもらいたいものである。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。