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[2002年12月20日:掲載]

ふとんの出張クリーニングを頼んだら、高額な掃除機の契約だった

 ふとんの出張クリーニングを依頼したところ、高額な水フィルター式掃除機を購入させられたという事例を紹介する。当該業者に対して問題が多いため、販売方法の改善要望も行なった。


相談内容

 業者から電話があり、「出張クリーニングのキャンペーンを行なっている。500円で布団等をきれいにする。時間もかからない」と言われた。子供がアレルギー性鼻炎を患っていたこともあり、クリーニングを依頼することにした。

 業者が来訪し、ベット、布団一組のクリーニングをやってもらった。作業中に「通常の紙フィルター式掃除機は吸引したハウスダストを排気しているため、埃が空気中を舞っている。しかし、当社は水フィルター式掃除機を使っているのでチリや埃を排気しない。窓を開けずに掃除してもよい。水は掃除ごとに捨てればいいので衛生的である」と説明された。さらに「ここまで水の汚れる家はない。泥水のようになっており、水中にはダニや埃がいっぱい入っている」等と言われた。

 その後、業者は「今後もハウスクリーニングを依頼すると年間20万円以上は必要になる。当社の掃除機は約40万円するが、長期的に考えれば経済的である」と掃除機の販売の勧誘を始めた。販売の話になるとは思っていなかったので「夫に相談してから決める」と言うと、「今日、契約すれば値引きする。家族にはレンタルと言っておけばいい」と言われた。子供のためにも埃の少ない部屋にしたいと思ったし、他の掃除機よりも高性能なら高くても購入する価値があると感じ、結局約56万円(商品価格約39万円(2万円割引)のクレジット契約(72回払い)を結んだ。

 ある日、テレビを見ていた夫から「うちのとよく似た掃除機が出てきた。うちはレンタルでよかったな」と言われた。夫にはレンタルだと嘘をついて購入しているので業者の説明通り本当に良いものならば夫に購入していることを打ち明けようと思い、商品の性能について調べた。自分では販売員の説明を聞いて、この掃除機は他社より優れていると思ってしまったが、そうではないらしいことが分かった。

 業者に「水フィルター式掃除機は排気が良くないというデータもあるらしいが、本当か」等と質問をしても「普通の掃除機と比較したことはないので何とも言えない」等納得のいく回答が得られないため、解約しようと思ったが、受け付けてもらえなかった。どうしたらいいか。

(主婦、20歳代)



処理概要

 国民生活センター(以下当センター)では、勧誘時の状況を書いてもらった。相談者は掃除機の性能に関して不信感を抱き解約したいと申し出ていたが、当センターでは、業者はクリーニングと称して来訪しており、掃除機を販売すると告げていないこと(特定商取引に関する法律第3条:販売目的の隠匿)や割引等のセールストークを用いて契約を急がせている点が問題であると考えた。実際、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)にも、この業者に関する同様の苦情が数多く寄せられており、業者の販売方法そのものに問題があると考えた。

 そこで、当センターでは業者に来訪を求め、掃除機の性能や上記の点について質したところ、業者は以下のように回答した。

(1)掃除機の性能については第三者機関に依頼して測定した結果がある。相談者が調べたデータは同じ水フィルター式掃除機ではあるが、当社の掃除機ではない。当社の掃除機は勧誘時に説明した性能を有している

(2)社内でマニュアルを作成しており、アポインター(電話でアポイントを取る者)に対して、掃除機の販売も行なっている旨を伝えるよう指導しているし、抜き打ちで検査も実施している。さらに、消費者の家に来訪する前には社員に確認の電話をさせており、その際にも掃除機の販売をしていると伝えている。よって、販売目的を告げていないとは考えられないし、契約を急がせたという認識もない

(3)苦情件数が多いということに対しては遺憾である。上記の通り当社では既にマニュアルを作成し、研修も行なっているが、今後苦情件数が減少するように努力していくつもりである

 その上で業者は、相談者の掃除機の使い方に誤りがあり、正しく使えば説明通りの性能があること、勧誘方法においても特に問題があるとは考えていないこと、しかしながら、相談者からの質問に対して不適切な回答をしたこと等を勘案し、相談者が既払い金(約6万円)を放棄することで解約に応じるという案を提示した。

 業者の解決案を相談者に伝えたところ、納得できないとのことであったため、三者面談(相談者、事業者、当センター)を行ない、相談者自ら勧誘時の説明内容や質問したときの回答状況等の説明を行なった。その結果、業者は相談者からの質問に適切に回答していなかった点等を特に認め、無条件解約となった。



問題点

 問題点は先に挙げたように多々あり、PIO-NETに業者に関する同種の苦情も多かった。そこで、当センターでは2002年7月、改めて業者に対し、「電話で布団等のクリーニングを勧誘する際に掃除機の購入も勧める旨を明確に説明すること、割引といった言葉で契約を急がせることのないように徹底すること」等、販売方法の改善要望を書面にて行なった。

 業者からは約2週間後、「各支店の責任者にアポインターの席を巡回させ、セールストークを厳しくチェックする、消費者の購入の意思が不明確な場合は考慮してもらう期間を設け契約を急がせない」等という内容の回答が書面で寄せられた。当センターでは今後も当該業者の相談の動向に注目していくつもりである。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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