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[2002年9月13日:掲載]

クーリング・オフが適用されなかった個人年金保険

 以前から取引のある保険会社の営業職員が来訪し、勧められて個人年金保険に加入の申し込みをした。事情により、3日後に申し込みを撤回したいと申し出たが、保険会社はクーリング・オフはできないという。保険料は保険会社の指定する口座にすでに振り込んでいる。また、保険会社は約款を渡したというが受け取っていない。

(70歳代 男性 無職)


アドバイス

 クーリング・オフできないケースか確認するために、社団法人生命保険協会に問い合わせたところ、保険料を口座振込で支払っている場合はクーリング・オフが適用されないとのことでした。しかし、このケースの場合、クーリング・オフが記載されている約款が渡されていないのが事実であれば、重要事項の不告知で契約取消の交渉が可能と考えられるとのことでした。

 相談者と保険会社が話し合ったところ、相談者は2年前にも同じ保険に加入していたことがわかりました。また、この保険は為替取引が絡んだもので、2年前に契約した保険を解約すると為替差益が発生し、支払い済みの保険料相当分に加えて20万円が返金されるとの説明を受けた結果、今回加入申し込みをした保険も契約を続行することになりました。



コメント&解説

 生命保険には、契約の申し込みをした後でも申し込みを撤回することができる「クーリング・オフ制度」が保険業法の中で明文化されています。契約の申し込み日または「第1回保険料充当金領収証」の交付日のいずれか遅い日から、その日を含めて8日以内(8日以上の会社もあります)であれば申し込みが撤回でき、支払った保険料は返還されます。ただし、保険業法及び同法施行令により、次の場合には同制度が適用されないので注意が必要です。

  • 保険期間が1年以下の場合
  • 生命保険会社の営業所などの場所で申し込みをした場合
  • 保険会社の指定する医師の診査が終了した場合
  • 既契約の内容変更の場合など

 以上のほか、本事例のように、預金または貯金の口座に対する払い込みによる方法で保険料を支払っている場合などは、同法施行規則により申し込みの撤回ができません。

 近年は、通信販売でも保険に加入することができます。しかし、生命保険に加入する場合は、保険会社の営業職員に勧められて加入することが多いのではないかと考えられます。消費者が積極的に選ぶのではなく勧められて契約したときなど、後で冷静に考えてみると不要だったということもあり得ます。そのようなとき、申し込みを撤回できるのが、クーリング・オフですので、覚えておきたいものです。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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