[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 相談事例・判例 > 相談事例と解決結果 > 経済知識に明るくない高齢者に契約させた通貨証拠金取引

[2004年3月29日:更新]
[2002年8月21日:掲載]

経済知識に明るくない高齢者に契約させた通貨証拠金取引

 自宅への勧誘電話の後に営業員が訪れた。耳が遠くて説明が十分に聞き取れなかったが、外貨関連の投資話で儲かるということだけは分かった。合計で300万円をこの業者に預けたが、家族に反対されたし、取引内容もよく分からないので解約したい。

(70歳代 男性 年金生活者)


アドバイス

 関連書類を確認すると、相談者は「通貨証拠金取引」を行う契約を取り交わし、委託証拠金を業者に預け、取引を開始していることが分かりました。

 そこで、直ちに取引を決済したい旨を業者に伝えるよう助言するとともに、センターからも決済が実行されるよう業者に申し添えました。その結果、手数料を含む損金はおよそ20万円で、ほぼ280万円が返金されることになりました。しかし、業者は何かと理由をつけて返金を遅らせたため、センターが期日を区切って返金するよう業者に迫ったところ、ようやく返金がなされました。

 センターは、取引内容に関する説明不足や、預貯金以外に投資経験がなく、経済知識に明るくない年金生活者が行うべき取引かなど、業者側の勧誘が適切だったかといった問題点もあると思われるので、損金についても、業者に返金を求める交渉を行うか相談者に打診しました。しかし相談者は「今回は勉強になったので、損金についてはあきらめる。もうこの業者とは関わりたくない」という意向だったため、相談を終了しました。

 この取引は、現在のところ法規制が及ばず、いろいろな業者が参入しています。国民生活センターや各地の消費生活センターに寄せられた相談事例をみますと、業者が適切な勧誘や顧客からの預かり金の分別管理などを、きちんと実行しているか疑われるケースも少なくありません。

 仕組みの分からない金融商品や信用できる業者か確信が持てない場合は、投資を控えるべきです。自分に必要のないものは、はっきり断りましょう。



コメント&解説

 個人投資家が外国為替取引を利用することはできませんでしたが、1998年の外国為替管理法の改正(改正後は、外国為替及び外国貿易法)を機に、個人投資家も外国為替取引に参加できるように考え出されたのが通貨証拠金取引です。外国為替証拠金取引と呼ばれる場合もあります。

 その特徴ひとつは、少額な元手(証拠金)で大きな取引を行うことができる点です。証拠金の額の10倍(業者により幅がある)に当たる額の外国為替の売買取引を行うことができます。

 第二特徴としては、取引決済日(直物取引と先物取引がある)までの反対売買による差額決済を行う点にあります。例えば、1万ドルの証拠金を入れて、10万ドルの取引を行ったとします。1ドル=125円に時に10万ドル買いつけ、これを1ドル=130円の時に決済したとすると、50万円の利益となります。

 130円−125円=5円×10万倍=50万円

(逆に円高になり、1ドル=120円の時に決済したとすると、50万円の損失になる。また、実際にはスワップ金利や委託手数料が絡むため、実際の計算はもっと複雑になる)

 為替相場は日々変動し、その動きを予測することは、経済や国際情勢に関する専門的知識や情報を有する者でも、容易なものではありません。「少ない元手で大きな利益を得る」ことも可能ですが、元手(証拠金)の全てやそれ以上の損失を被る可能性のある取引だということを肝に銘じる必要があります。

※金融商品販売法施行令の改正について(2004年3月29日追加)
 金融庁は、顧客保護の観点から、金融商品の販売等に関する法律(「金融商品販売法」)施行令を改正し、業法の規定に基づかないで業者が取り扱う場合においても、この法律の対象とすることにした(2004年4月1日施行)。

  参考:いわゆる外国為替証拠金取引について〜取引者への注意喚起等〜(金融庁)




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

相談事例と解決結果トップページへ

ページトップへ