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総合法律支援法とADR
総合法律支援法とは
裁判その他の法による紛争解決のための制度利用をより容易にすることや、弁護士・隣接法律専門職者のサービスをより身近に受けられるようにするための総合的な支援(これを「総合法律支援」といいます)の実施及び体制の整備に関し、その基本理念、国等の責務その他の基本となる事項を定めているのが「総合法律支援法(平成16年6月2日公布)」です。
総合法律支援法の主な内容
- 基本理念
- 総合法律支援の実施及び体制の整備は、民事・刑事を問わず、全国において、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現することを目指して行われるものとされています。(第2条)
→そのために実施する具体策として、以下の5つがあげられています。
- 紛争解決制度を有効に利用するための情報提供の充実強化(第3条)
- 民事法律扶助事業の整備発展(第4条)
- 国選弁護人の選任態勢の確保(第5条)
- 犯罪被害者の援助等に係る態勢の充実(第6条)
- 関係機関の連携の確保強化(第7条)
- 国、地方公共団体の責務(第8条、第9条)
- 国は、総合法律支援の実施及び体制整備に関する施策を総合的に策定し、実施することとなっています。 地方公共団体は、その地域における総合法律支援の実施及び体制整備に関して、国と適切に役割分担しながら必要な措置をとることとなっています。
- 「日本司法支援センター(法テラス)」の設立と運営(第13条〜)
- 総合法律支援の中核となる日本司法支援センターの組織及び運営について定めています。
総合法律支援法とADR
総合法律支援法では、国や地方公共団体、弁護士会、隣接法律専門職者団体、ADR機関などの関係機関は互いに連携し、その連携を強化していかなければならないとされています(第7条)。ADR機関が行うADR手続に他機関の専門家が参画することや、関係機関どうしで新たなADR機関を設立することなどが期待されています。
「隣接法律専門職者」とADR
「隣接法律専門職者」とは、総合法律支援法によれば「弁護士及び弁護士法人以外の者であって、法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者」とされています。
一般的には、司法書士、弁理士、社会保険労務士、税理士、行政書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士の各職種を指して使われることが多いようです。(ただし、明確な定義はありません)
これらの隣接法律専門職のうち、司法書士、弁理士、社会保険労務士、土地家屋調査士については、法律によってADR手続の代理権が認められています。
- 司法書士
- 不動産・法人の登記手続、供託手続の代理申請、裁判所及び検察庁へ提出する書類の作成業務を行うことができます。
- 法務大臣の認定を受けた司法書士は、請求額が140万円以下の民事紛争について、簡易裁判所における訴訟代理(民事調停・民事保全・少額訴訟等)、裁判外での和解の代理、これらの事件に関する法律相談を行うことができます。また、2005年4月1日より、「民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律」の施行を受けて、少額訴訟債権執行手続が創設され、司法書士がこの債権執行手続の代理もできます。
- 法務大臣の認定を受けた司法書士は、裁判外紛争解決手続業務として、土地の筆界特定手続の内、一定の範囲での代理を行うことができます。
※「筆界特定制度」は、土地の所有権の登記名義人などの申請に基づいて、筆界特定登記官が、筆界調査委員の意見を踏まえながら土地の筆界の現地における位置を特定する制度のことです。「筆界」とは、ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線のことです。筆界は所有権の範囲と一致することが多いのですが、一致しないこともあるため、特定が必要になることがあります。
- 弁理士
- 特許、実用新案、意匠、商標などに関する特許庁における手続や、異議申立てまたは裁定に関する手続の代理のほか、鑑定などの業務を行うことができます。
- 知的財産高等裁判所及び最高裁判所において、審決取消訴訟の代理人となることができます。
- 認定を受けた弁理士は、弁護士と共同で受任することを条件に、特定の侵害訴訟の代理人となることができます。
- 日本弁理士会と日本弁護士連合会が共同で設立した「日本知的財産仲裁センター」では、知的財産権に関する相談・調停・仲裁・ドメイン名紛争裁定などによるADRを行っています。
- 社会保険労務士
- 労働及び社会保険に関する法令に基づき、労働基準監督署・社会保険事務所などの行政機関に提出する申請書・異議申立書などの書類を作成し、その提出に関する手続きを代行することができるほか、事業における帳簿書類の作成や労務管理を行うことができます。
- 裁判外紛争解決手続業務として、個別労働関係紛争解決促進法に基づき、都道府県労働局に設置された紛争調整委員会によるあっせん手続において、意見の陳述やあっせん案の受諾などといった紛争当事者の代理をすることができます。
- 土地家屋調査士
- 土地や建物の場所、形状、利用状況などを調査・測量し、図面の作成や登記の申請手続などを行うことができます。
- 各地の土地家屋調査士会では、弁護士会と協力して境界問題相談センター(名称は各地で異なります)を作り、境界問題についての相談や調停によるADRを行っています。




